法則は誰が創ったのか(2)

人間とは何か1

 ほとんどの人は、この肉体が人間であると思っています。私たちの五官に触れるのはこの肉体ですから、この肉体が自分であると思うのも当然ですね。

 でも肉体はそれ自体では生きていません。この肉体を生かしている本体は生命です。つまり私という人間は、この肉体ではなく、この肉体を生かしている生命だということになります。

 私たちは神の創った生理の法則で生きています。私という肉体を生かしている本体が私だということは、私は神から自分の生理機構を使わせてもらっている、ということになります。

 私の肉体の主体が私でも、私は自分の力で心臓を動かしたり、肺に呼吸させたりする力はありません。神が私の肉体から去れば、どんなに私の肉体が健全であっても、私の心臓はとまり、肺の呼吸はとまります。
 ですからこの肉体の真の主体は神だということになります。

 自分の肉体の持ち主である私には心があります。心には二つあると言われています。現在意識と潜在意識です。この潜在意識に何を印象づけるか、何を注文するかによって、現れてくるものが決まってきます。

 潜在意識は私の心でありながら、私にとって好むと好まざるにかかわらず、印象したものを現します。憎しみの感情、悲しみの感情、感謝の感情など与えられた印象に則った現象を現します。

 これが「心の法則」であり、私たちの運命をつくっていきます。この潜在意識が働く人間を“肉体人間”といいます。

 病気になったり、さまざまな環境をつくりだすのは、この潜在意識の働きです。自分の常日頃の思いや行いと密着しています。これが「現象は心の影である」という真意です。

 潜在意識は「心の法則」に従った働きをしているのです。このことがわかると、いかに普段の思いや行いが大切かということがわかります。

 今、私たちが心に起こしている喜怒哀楽という想念がこの先の自分の姿となって現れてきます。これを“現象は心の影”であると言っています。

 人の役に立つ働き、人を喜ばす働き、明るい心、喜びの心、笑い、感謝の心など自分に与えられたい心。

 一方、怒り、憎しみ、嫉妬、羨望、非難、批判、悪口、悲しみ、不安、恐怖、身勝手な行いなど自分に与えられたくない心。

 どちらを潜在意識に与えるかがとても重要だということがお分かりだと思います。潜在意識の法則を知っているか、知らないかで自分の運命が決まります。

 現れは“心の影”であるということは、自分の運命は自分の心が創っているということですね。運命は命を運ぶと書きます。運命は自分で運んでいるのです。

 幸福、健康、豊かさ、不幸、病気、貧乏などの人生をつくっているのは、この肉体人間だということがお分かりになったと思います。

 “善”を内容とする言葉(想念)が幸福や豊かさ、健康を創り出しています。“悪”を内容とする言葉(想念)が病気や不幸や貧乏をあらわしているのです。

 でもこれは言葉(想念)がつくった現れですので、五官の感覚に見えているだけなのです。だから言葉(想念)を変えることによって癌などの病気が消えたりするのです。

 不幸、病気、貧乏が厳然とした存在なら、消せるはずがありません。

次 人間とは何か2へ