この世界の知られざるしくみ(2)

心の法則2

 「心の法則」について洞察してみましょう。

 私が癌という病気になったのは、私の人生において、そうなるべき原因を創っていたからなのです。

 癌は心のしこりです。自分にとって大切な人との間に心のわだかまりをつくり、その人たちを自分の言動で苦しめてきた私の心のしこりが、時を経て癌という症状をおこしたのです。

 これが法則であり、また救いでもあるのです。
 “心の法則”とは、「すべての現れは心の影」であるということを表しています

 今のあなたの姿は、過去にあなたが喜怒哀楽の感情を働かし、思いをめぐらし、さまざまな行いで生きてきた結果なのです。
 過去に自分のまいた種が実を結んでいるのが今のあなたの姿なのです。この流れが連綿と続いて、自分の人生をつくっていっているのです。

 これを“原因結果の法則”といいます。これがしっかりわかればあなの人生は大きく変わります。

 自分の人生に現れる出来事は、過去の業の自働的あらわれとして出てきます。
 日本では昔から“因縁因果の法則”といって語られてきました。これは“原因結果の法則”と同じことです。すべて自分の心が原因をつくる元になっています。

 もう一人、アメリカの哲学者であり、宗教家であるR・E・デーヴィスの言葉を紹介します。

「今まであなたは古い生き方、古い考え方、感じ方、そして従来からの習慣的行為を棄てるべく自分自身を納得させることができなかったのである。
 われわれは自分で、これが出てくるにちがいないと感ずる通りのものを実際に体験として実現するものであるから、自分の人生に体験する出来事を変えようと思ったならば、まず自分の心の状態を変えねばなりません」

 “心の法則“とは鏡のような働きをします。鏡に映った自分の姿は、自分自身の過去の想念の姿が具体化した姿であり、それを見ることによって、自分自身の正体を知ることができるのです。

 今、自分の望まない姿が鏡に映っている人は、それによって自分自身の正体を振り返り、考えてみる必要があるのです。

 みずからの心の結果を体験して、みずからの自由意思で正しい道へ戻ることができます。それゆえに悪しく見えることもことごとく向上していく一つの踏み石なのです。

 心の法則は、厳然として私たちの生きているこの世界に存在しています。これを理解することが人生を思うように生きていくうえでとても大切な基本です。

 いつも人の欠点や間違いを見、批判をし、愚痴を言っている人は、それを自分の習慣とするのを止めねばなりません。
 人の悪しきところを見るのは、自分の悪しきところを引き出していることに他なりません。

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